ある日の夕方、久しく連絡をとっていなかった母から連絡が来た
キャンプ行きたいんだけどぉ
最近僕がキャンプにどハマりしている事を知っての連絡だろう。ちなみに母とはInstagramを相互フォローしているほどの仲だ。
とはいえ久しぶりの連絡が「キャンプに行きたい」だったのは、少しでも愛息子との時間を確保するための口実に過ぎないだろうと魂胆が見えてきてニンマリする他なかった。
本当は他にも理由はあったのだが、そこは長くなるしややこしいので割愛する。いや悔しいのかもしれない。
どこに行きたいのかを尋ねると
「海か湖!」
とハツラツな返事が返ってきた。
海・・・湖・・・??
俺もまだ行ったことねえよ!!!!!
と心の中でこっそり叫ぶと、僕はあたかも二つ返事を出したかのように
オッケー
と軽返事をしてみせた。
で、結局、当然行ったことのない浩庵キャンプ場に行くことを決めた。
そう、キャンプ場を探している最中、たまたま観たゆるキャンで、最初に出てきたのが浩庵キャンプ場だった。ただそれだけだ。
ここはどうやらキャンパーの聖地らしい。そこかしこで写真を撮ってる人がいる。しかし、そんなことは知ったことじゃない。
俺はキャンプができればそれでいい。初めてのキャンプ場であることを悟られないようサッと車を降りて
う受け付けに向かう。自動ドアが開く。
うわあ!ゆるキャン!どこもかしこもゆるキャン!わぁ〜〜!
あ!こんなのもあるんだ!これもゆるキャングッズ!?と心を躍らせている自分がいた。
いや、正直本当にゆるキャンには興味もなかったのだが、画面の中と現実の狭間にいるような気がして胸を躍らせてしまったのだ。お恥ずかしい。
浩庵キャンプ場の、サイトへの入り口は初見さんには厳しく、
鉄製のチェーンが道を塞いでいる。しかし、大丈夫。前日に他の人のブログを見て勉強していたのだ。
車を降り、慣れた手つきでチェーンを外す。
そしてサイトにたどり着いた。富士山は機嫌が悪いようで雲隠れをしていた。
母と・・・留学生にテントを貸して・・・・
留学生どっから来た!?!?と思いましたよね、すみません。パキスタンです。
あ、そうじゃないか。
実は冒頭で割愛した部分、簡潔に説明すると僕の実家は留学生を受け入れるいわゆるホストファミリーをやっています。そこに来ていた留学生がキャンプをしてみたいと言ったことがこのキャンプのきっかけになったのです。(今後もいろんな留学生が登場するかも)
久しぶりに本格バーベキューを楽しみ、夜も老けてきた頃。
風も強くなってきたので寝よう、そう言って母と留学生はテントへ。
僕はこの湖畔に吹き付ける冷たくも、じめっとした風と打ち寄せる波の音を肴にもう一杯。
俺も大人になったなあ、理由はどうであれ母をキャンプに連れてくる日が来るなんて。
それに今までは手取り足取りしてもらっていたキャンプも、今度はこうやって逆のことをしているなんて。
そうしみじみしながら自分もテントに入った。
朝は富士山が見れたらいいなぁ!
そんなことを楽しに、ワクワクしながら寝袋に潜った。
朝を迎えた時にあんなことになっているだなんて、この時は微塵も思わなかったのだ。
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